いつもパナマコーヒー生豆をご利用いただき、誠にありがとうございます。
早いものでもうすぐ4月、パナマでは今年度の収穫もほぼ終わりを迎えました。
プロセスされたチェリーはもう数週間、寝かせることでより豊かなアロマとフレーバーを熟成させ、ぎりぎり粘って一番良い状態になった頃合いに、各農園主たちから具体的な新豆ロットのオファーが届きます。
ここ数年、何かと困難のある状況にもかかわらず、パナマの農園主たちが毎年、必ず口にするセリフがあります。
「今年は本当に素晴らしい出来栄えのロットができた」
パンデミックや異常気象、物流の問題など、そこで働く人たちにとって、想像を超えるような制約がありました。
私たちバイヤーにとっても、収穫量やクオリティへの影響が心配で、やきもきしながら現地とやりとりする日々が続きます。
そして、今も続いています。
そんな中でもパナマの農園主と農園の人たちは、逆境に甘んじることなく、一人ひとりが、よりよい方法、よりよい品質のために、様々な創意と工夫を続けています。
それは、収穫量を維持したり増やしたりするために、コーヒーを育てる環境や、栽培方法に手を加えることではありません。
良質なチェリーを実らせるためには、周囲の自然環境はもちろん、コーヒーノキそのものの健康を維持することも大切です。病気から守ることだけでなく、たくさん実らせた木は翌年、適度に休ませてあげることも必要なのだそうです。
自然と環境に無理をかけることなく、毎年、おいしいコーヒーを作り、世界中の人がそれを選び、楽しんでもらい「続ける」には、何が必要か。
いうまでもなく、パナマの人たちは「品質」にこだわりました。
収穫した後のコーヒーチェリーに、もうひと手間を加えることで、本来もつ「自然な」アロマと風味を最大限に引き出すことができるのではないか。
鍵は、発酵のプロセスにありました。ここ数年、各農園が独自に発酵のプロセスを見直し、さまざまな試行錯誤と、農園同士での技術提供や、ノウハウを共有することで、パナマのコーヒーがさらにその品質と、価値を高めた経緯は、皆さんご存知の通りです。
* * *
さて、今期もまた、早いところでは昨年末には、プロセスを終えた農園主から出来上がったロットのオファーが届きはじめました。
もちろん、上記の本当に「素晴らしい」出来栄えのロットができた、という一言も添えられています。
しかも嬉しいことに、この「素晴らしい」という表現、今年もまた記録更新をしたようで、より強力にエスカレートした形容詞になっています。
ちなみに今年2021-2022年度、とある農園主の最新作では、
Bomba(ボンバ、爆弾の意味、まわりのコンペティターをふっ飛ばす、くらいの勢いでしょうか)
Barbaro(バールバロ、とんでもない、酷いなど、もともとネガティブな意味から転じた最高の褒め言葉だそう)
Brutal(ブルッタル、強くて悪ガキのようなイメージ)
という、かなり「ヤバい」部類の形容詞が、ロットの説明に使われていました。
感情を込めて発音するスペイン語では、これら頭の「B」はとても強く発せられるので、おそらく日本語の「ヤバい」以上に、より破壊的なイメージが強調されます。
いったいどれだけの破壊力とインパクトをもった「とんでもない」アロマと味のコーヒーが出来上がったのか。今期ニュークロップ第一弾入荷となる、これら「とんでもない」新作を作ってしまった、とある農園主とは、いったいどなたでしょうか。
これまでにない、また新たなプロセスを試してみた結果だそうです。現地からは、本当に「ヤバい」という、悲鳴が聞こえてきているほどの、注目の新作ロット、楽しみですね。
次回、より詳しくお伝えしますので、どうかお楽しみに!
Comments