「あいつのところなら持ってるはずだよ」
前回も少し触れましたが、今期(2021年)パナマは様々な要因で、とくにトラディショナル品種の収穫が例年より少ないと言われ、買い付け早々、つまりは「ゲイシャ以外」の品種を確保するのに苦労しました。
異常気象の影響でいうと、例えば前年、まさかのパナマにハリケーンが接近したことによる大雨の影響で、いくつかの農園が被害を受けました。
土砂崩れなど大雨の被害に見舞われたのは麓のほう、コーヒー品種でいうと、トラディショナルを栽培している低めの地域で被害が多かったようで、言い換えると、高い標高にあるゲイシャを中心とした品種には影響が少なかったそうです。
とかく海外から引きの多いゲイシャと違い、カトゥアイ、カトゥーラ、ティピカといった、それ以外の品種は、だいたいがパナマ国内で消費されるらしいのですが、ただでさえ少なかったこれらトラディショナル品種が、すでに国内で消費されてしまったとのことで、結果として、通常なら逆なのですが、ゲイシャ以外がなかなか十分に確保できず、パストクロップの在庫までも各農園に訊いて回る、という予想外の展開となりました。
例年だと、どうせ後になれば出てくるだろう、とタカを括ることができたのですが、さすがに少し焦りまして、これはもう、とにかくあるものをひっかき集めなくては、ということで、各農園に訊きまわることになったわけです。
そうこうしているうちに、Best of Panamaのジャッジも迫り、各農園も慌ただしくなってきた頃、いくつかの農園主から、冒頭のひと言、「あいつなら在庫もっているんじゃないかな」と、教えてもらった農園がありました。
その名は、Garrido ガリード。
(※「リ」はスペイン語の巻き舌です。私同様、苦手な方は「がるりーど」と早く言ってみてください)
これまで入荷をしたことのなかった農園でしたが、トラディショナルについては、昨年BoP 2020のTraditional部門で、カトゥーラ(なのに)が、91ptというダントツのスコアで優勝していて、しかもそのMOKKITAというロットが、1kgあたり〇万円(どのゲイシャよりも高い!!)で売っていたとのこと。
農園の代表であるホセ・ダビド・ガリードは今年、BoP 2021のヘッドジャッジを務めていて、ちょうど各農園から集まったロットの整理やら、準備やらでてんやわんやの時期、作業の合間を縫って在庫の問い合わせに対応してくれました。
結果、先のMOKKITAと同じ「MAMA CATA」農園のティピカと、エアルームが残ってる、といのことで、迷わず確保してもらいました。
MAMA CATA(ママカタ)というのは、パナマのこの地域で古くからコーヒー農園を営むガリード・ファミリーが経営する、4つの農園のうちの一つです。
さらに、ウワサのMOKKITA(モキッタ)も出来上がっているとのことで、少量ながらオーダーしまして、日本で初入荷という、オマケまでつけることができました。(そのモキッタは今年も、Best of Panamaで92ptという記録破りで連続優勝を果たしました)
ただならぬ状況だったからこそのめぐり合わせ。またひとつ、気のいいパナマの農園主たちの横のつながりで、新たな人と農園、ストーリーと、素晴らしいロットと出会えたこと。私たちにとって、何よりの大きな「収穫」となりました。
ガリード農園のラインナップは下記の2種類です。
□ Garrido's MAMA CATA Typica, Washed
□ Garrido's MAMA CATA Heirloom, Washed
在庫のお問合わせをお待ちしています。
次回、まだまだ今年のティピカをご紹介していきます。
お楽しみに。
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