評価テーマ
「フレーバーの複雑さ」
一般的にカッピングによる複雑さの評価は、植物の代謝から生まれるEnzymatic系フレーバーの複雑さが語られることが多いように感じます。
ロースト由来のSugar BrowningやDry Distillation、発酵由来のFermentationは少し蔑ろにされているようにも感じます。
今回はEnzymaticの種類の多さはあまり問いません。
Enzymaticをしっかりと感じながらも、Sugar BrowningもFermentation も感じられる。そのような焙煎を評価テーマでは加点したいと考えております。
Enzymaticに偏りフルティーフレーバーだけが目立つような焙煎、Suagar Browningに偏りチョコレートフレーバーだけが目立つような焙煎、Fermentationに偏り酒類系フレーバーだけが目立つような焙煎は、あまり高い点数はつきません。
フルーティさもナッティもワイニーも感じられた場合に上記複雑性が高いとし、高い点数にしたいと考えております。
◇評価方法の変更点
基本SCA準拠に従う。
グラインダーはEK43を使用。
水はクリスタルガイザー 。
お湯を注いで30分で評価をやめます。
グラスはガラス製の8ozのものを使用。
ジャッジへのQ&A
Q1:カッピング時のEKのメッシュ、カッピングの予定日時を教えてください
A1:メッシュはSCAプロトコルに従い、ふるいで調整します。
カッピングの評価日は8/10です。
Q2:「フレーバーの複雑さ」について、具体的にどのようなバランスを求めていますか?
A2:まず各フレーバーがどれも感じることができれば理想的です。またそれらの明確性がしっかりとしていれより品質が高いと考えます。
Q3:Enzymatic、Sugar Browning、Fermentationの各フレーバーがどの程度感じられると理想的と考えていますか?
A3:バランスに指針は設けません。しかしある一方が強いがゆえにもうある一方が感じづらい場合にはそれらは、片方の体験を阻害しているとしスコアは上がりづらいでしょう。
またある一方が強く、もうある一方が例え強くなくても、その明確性が十分に感じ取れればそれらは十分な品質を有していると考え、バランスを崩しているとは判断しません。
各種フレーバーの強度が均質な量感であるべきとは問いません。しかし量感が足りず明確性に欠くことは大いにあり得、各種とも十分な明確性と十分な量感はある程度の相関があると考えます。
Q4:また、「フルーティさもナッティもワイニーも感じられた場合に上記複雑性が高い」とのことですが、これらのフレーバーのバランスについて具体的な指針はありますか?
A4:これらのバランスの量感については指針を設けません。量感よりも、明確性を求めます。前述の通り明確性にはある一定以上の量感は必要不可欠と考えます。
また同じEnzymaticにおいてHerbalとFruityに優劣をつけません。
同様にSugar Browningにおいて、NuttyとChcolateにも優劣をつけることは致しません。
Q5:これらのフレーバーをどの程度感じることが理想的と考えていますか?
A5:それぞれの明確性が十分に感じられることを複雑性と考えます。量感のバランスは問いません。また温度変化によりそれぞれの明確性や量感は異なることが考えられます。全ての温度帯にて各種フレーバー全てが存在していることは理想ですがそれ非常に高度であるでしょう。温度変化によって各フレーバーが順にしっかりと存在を表すのであれば、それは十分に複雑性を有しているものと考えます。